ハウス・オブ・カードをオススメするブログ

Netflixレビュー

ハウス・オブ・カードのシーズン5が公開された。現実の世界ではトランプが大統領に就任するというドラマチックな事があったりした訳だけれど、じゃあハウス・オブ・カードの世界ではどうなってるの?と意識せずにはいられない。今回の記事ではネタバレなどはせず、「なんかこのドラマ、人気らしいけれど面白いのかな?」と思っている人に超絶オススメするという目的で書いてみようと思う。

ハウス・オブ・カードが面白いのかどうかと聞かれたら、超絶面白いと答えざるを得ない。僕の中ではベスト・オブ・ネットフリックスであり、過去観てきたドラマの中でも間違いなくナンバー1だ。エンターテイメントとしても素晴らしいけれど、別の見方をすると、現代における最高峰の映像コンテンツとも言える。僕らの人生の時間は有限なので、情報が溢れまくっている今、何に時間を使うべきかなんていう現代的な葛藤があったりするけれど、このハウス・オブ・カードを鑑賞している時間は非常に有意義なものであるという事を僕は主張したい。

何が面白いかと言われると、色々ある。

まずネット配信ドラマという所で、いつものTVドラマとは構成や展開が若干違う。例えば毎週1話づつ放送するTVドラマでは、来週も観てもらうための「引き」があったりするのだけれど、ネット配信ドラマにはそれがない。ない、というか、する必要がない。続きを見る時はただクリックするだけでOKだから。1シーズン13エピソードくらいを、一気に公開する。なので制作も大きくストーリーを構成する事が出来るし、視聴者も腰を据えて観る事ができる。余計な伏線を張って不自然に引っ張る事もない。更に配信会社の自社制作で、スポンサーもいないので、表現もかなり自由だ。ネットフリックス社自体がとてつもない予算を持っていたりするので、言うならば映画クオリティのエピソードがずーっと続くのだ。すごいね。

キャストも良い。何と言っても主役、フランシス・アンダーウッドを演じるケヴィン・スペイシーが素晴らしい。彼自身がこのドラマのコアでもあり、すべてといってもいいかもしれない。正義のヒーローキャラという訳ではなく、むしろ倫理的に悪いことばっかりしているフランクだけれど、僕はこのキャラクターが大好きなのだ。彼のすべての考え方に同意する訳ではないけれど、説得力があり、力強く、とてつもなくカッコイイ。逆に言うと彼が好きになれないとこのドラマの面白さはなくなってしまう。

もちろん周りのキャストも良い。個人的に好きなのは、秘書のダグ、下院議員のジャッキー、ピーター・ルッソ、それからリベラルキャラのドナルド・ブライスも。ダグは「このドラマに出てくる人達はみんな超優秀な人達」という雰囲気を作り出すのに一役も二役も買っていて、すごく機能している。ジャッキーは芝居の中の表情が素晴らしい。冷徹な女性だけれど、たまに乙女になるというアメリカ版ツンデレを見事に演じている。ピーター・ルッソはダメキャラを担う事が多いけれど、すごく共感出来る役。あと更にダメキャラなドナルドも、シーズン3でちょこっとだけ輝く時があって、そのシーンが僕はすごく好きだ。

ストーリーはそれ即ち主人公フランクの哲学そのもの。これは通常の民放ブロードキャストでは出来ないと思われる展開。倫理的に問題があるシーンが多すぎる。こんなのテレビで流したらクレームが殺到してスポンサーがブチ切れてしまう(映画なら多分ギリギリセーフ)。ネットフリックスが制作からマネタイズまでやっているというこの状況と、現代のインフラ(web)があって初めて作れるドラマ。本当にオススメ。

と褒めまくっている僕だが、人を選ぶドラマであるとも思う。まずアメリカに対する基本的な知識が必要。まぁ全然知らなくても楽しいっちゃ楽しいんだけど、例えば国務長官が何なのかわからないと、そもそもフランクがなんで第1話で怒ってるのかわからないかもしれない。例えば銃規制問題、シーズン3辺りでその辺の団体とのやり取りがあるのだけれど、アメリカ人の半数が銃規制反対派なのはなぜなのか、「銃なんてない方が良いに決まってるじゃん!アホか!」で済ませてしまう人は、話の中の動機づけがよくわからないかもしれない。僕自身もアメリカ人ではないので、彼らの感覚を100%理解している訳ではないけれど、割とドラマの中ではアメリカ独特の価値観で話が動いていくパターンが多いので、その辺りの理解がある、もしくは理解する気がある人でないと、ハウス・オブ・カードは楽しめない。