13の理由を観た。ネタバレはない。

Netflixレビュー

暗い映画やドラマが見たい時ってあるよね。

小説がヒットしていた時、ちょっと気にはなっていた「13の理由」(13 Reasons Why)が、Netflixでドラマ化されて配信された。GWの間特に予定がない僕は、これを見始めてしまったのだ。。。暗い、そして重い・・・、予想していた事、むしろ期待していた事とはいえ、見るのがすごく辛いドラマだよ。しかしオススメしない訳にはいかない、非常に優れた映像コンテンツだと思う。これから色々とこのドラマについて語っていくけど、ストーリー的なネタバレは書かない。

物語のスピードについて

ハンナの残したテープの一つの片面が1話っていう構成になっている。第一話はテープ1のA面で、2話はそのB面。最初は誰もが感じる事だと思うんだけど、「おいクレイ、とりあえずテープ全部聞こうぜ?」って事。もちろんクレイが一晩で「一気聴き」してしまったら、このドラマ構成のグランドデザインが崩れてしまう訳で、実際に作中でも「お前まだ全部聞いてないのかよ。遅すぎ。」なんて友達から突っ込まれたりする部分もあったりする。でもね、クレイの気持ちもわかるんだ。だってオレ自身も、このドラマを「一気観」出来ないもん。。。他のNetflixドラマ(ハウス・オブ・カードとかオレンジイズニューブラックとか)は一晩で10エピソードとかブワーーっと観てたけど、この「13の理由」に関しては、あまりにも重すぎて、1エピソードごとに休憩が必要なのだよ・・・。とても一気に観る精神状態にはなれない。。。だから4話くらいで、その辺のクレイ君の気持ちとはシンクロしてくるんだよね。素晴らしい演出だと思う。

アメリカンハイスクールについて

僕は日本の公立高校出身なので、アメリカンハイスクールの空気感はわからないけれど、まぁ日本の高校とは色々な所で違ってくるのはなんとなく理解できる。学校行事のノリだったり、飲酒やドラッグ事情の違いだったり、なんとなく想像するしかない空気感は確かにある。しかしながら、逆に共通する所も多くて、むしろその共通点の方が物語のコアな部分になっているのが素晴らしい。SNS事情、セックス事情、スクールカースト、女同士の友情の空気感などなど、文化は違えど同じティーネイジャーとして強く共感出来る部分が多い。(いや、オレはもう34歳のおっさんだけど)そしてこのドラマにおける大きな概念、「常に誰かを傷つける」は、万国共通の人間関係あるあるなのではないだろうか。特に「学校」っていうフィールドでは、本当にこうゆうのあるよね。僕の高校時代は割とリア充っぽい感じだったので、ジャスティン君に自分を投影させて鬱になってしまうんだ・・・。皆も「自分は誰か」ってそれぞれ思ってるんじゃないかな。

キャストについて

もちろん僕は誰一人としてキャストの名前を事前に知っていた訳ではないけれど、主人公クレイ君役のDylan Minnette、彼はイイ。このドラマの多くは彼の「苦悩する芝居」に掛かっている訳だけれど、とても良い仕事をしている。単純にダサい男キャラだと物語の躍動感が失われ、かといって性格イケメンキャラだとリアリティがなくなる。彼は物語の展開に合わせて、完璧なキャラ調整を行った上で良い芝居をしていると思う。ただ元のルックスがイケメンなので、学校内では地味なポジションなんだっていうのを理解するのに2話くらいかかってしまった。恋愛が超下手なヲタっていう設定なんだけど、日本人感覚でいうと十分イケてると思ってしまうんだよね・・・。

という訳で

映像コンテンツとしては非常に完成度の高い作品だと思う。メッセージ性も強く、且つ陳腐化されず、深い所で視聴者に考えさせられるドラマ。あとこれ、ネットでもリアルでも良いので、全部観た後に複数人であーだこーだ話し合うのが楽しいドラマだと思う。曰く「オレは○○が一番悪いと思う」だったり、「オレは高校の時○○みたいだった。死にたい」だったり、それぞれの立場からとりとめもなくこの13の理由を語るのが楽しい(?)ような気がするんだよね。暗いけど。