Black Mirror 【Netflix】シーズン3のエピソード考察

Netflixレビュー

ついにシーズン3。今のところ(2016)Netflixで公開されているシーズンとしてはこれで全部。ちょっと調べたところ、シーズン4を現在意欲的に制作中、という訳でもないらしい。でもこのシリーズすごく好きなので、また作ってほしいなぁ。X-fileなんかよりずっといい。Black Mirrorの良いところの一つは、「後半ダレない」という所だ。あのハウスオブカードさえもシーズン3くらいでちょっとダレた。海外ドラマって、シーズンを重ねる内に伏線張りすぎて風呂敷広げっぱなしの浦沢直樹漫画状態になっちゃうんだよな。でもこのBlack Mirrorはむしろこのシーズン3が個人的には一番良エピソードが多くて楽しめた。ネットワークチャンネルがシーズン2まではChannel 4だけど、シーズン3からNetflixになったからかなぁ。関係あるか知らんけど。

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3-1 ランク社会 Nosedive

Facebookとamazon評価が組み合わさったような設定。これは国や文化によって感覚の違いがあるかもしれないけれど、どうも僕は星の数でする5段階評価が好きになれない。何をもって星5なのか、星3なのかっていうのが明確でないので、amazonを例にすると、同じ顧客満足度でも人によっては星3だったり星5だったりするのだ。多少の誤差はあってもいいと思うけれど、基本的にマケプレ出品者は星4.5以上が求められるので、完璧なサービス/商品を提供しても星3をつける人が100人中5人くらいいる。やや、それは全然いいんだ。普通に商品がお届け希望日に到着して、普通に期待通りの商品だった場合、普通っていうことで、星3。まったく問題ない。ただ結果的に出品者の相互評価は下がることになってしまう・・・。「普通」という評価を星5で表現するか星3で表現するか、amazonがその辺どうゆう風に考えているかちょっと興味がある。

あーすごく話が逸れた。まーとにかくこのエピソードではソーシャルの評価によって自分のヒエラルキーが変わると。そうゆう社会は全然起こりうるとは思うのだけれど、星の数評価方式はないな。途中でソーシャルコンサルみたいな人が「上位の人に評価されると効果的」って言ってたけど、そうゆう相対的な指数と、可変的な係数で評価値が出てくるのが望ましいと思う。でも結局、このエピソードの中では「一票は一票」の扱いなんだよなー。なんだか変。

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今流行の(2016.10月)VR。僕はまだ体験したことないのだけれど、なんだかすごい没入感らしいね。ここにドラッグなんぞを組み合わせるとすごい事になるんだろうね。その場合はどうゆうのがいいわけ?LSD?

主人公のお兄ちゃんは家庭に対して何かコンプレックスのようなものを抱えている設定な訳だけれど、この設定は必要なのだろうか。もっとシンプルな話でいいんじゃないかな。

もしかしたら名前があるのかもしれないけれど、「驚かさないルール」っていうのが映像コンテンツにはあるような気がする。チープなホラー映画はチープな怖がらせ方をする。それはすごく簡単で、いきなりでかい音を出せば良い。そんで死体のアップでもドーンと出しておけば、とりあえず視聴者はビックリして「こわー!」ってなる。でもそれをやってほしくない視聴者は多い。特に「別にホラーコンテンツが見たくてこのドラマを見てる訳じゃない」っていう人には。で、このBlack Mirrorはその辺の信頼関係を崩さずこのエピソードをつないでくれた。「ドーン!」って来そうなシーンは沢山あるのだけれど、大丈夫。怖いけど、ビックリ作戦はない。これは個人的にすごく大きい。ありがとう制作陣。

3-3 秘密 Shut up and Dance

うーん何というか、まったく救いがないエピソード。これはSFというか、今も実際に問題になっていることだよね。日本でもパソコンのフェイスカメラにオナニーシーンが映っちゃった的な事は何回かあったはず。そんで気づかずニコ生で流れちゃったとか。本当、この主人公の少年は何も悪いことしてないのにね。途中おじさんが「そんなのローマ法王だってしてることだぜ」なんて言ってたけど、本当その通りで、この辺の道徳観念が変わる日は来るのだろうか。つまり、自分のオナニー映像が流出しちゃっても、学校のトイレでウンコしてるのバレちゃった、くらいのレベルで落ち着く日が来るのだろうか。テクノロジーの進化は日進月歩だけれど、なかなかそこに僕らの感覚が付いていけない時があるんだよな・・・。

3-4 サン・ジェニペロ San Junipero

物語の構成は結構好き。だんだん世界観が見えてくる具合も素晴らしいし、とても自然だった。ただ一つだけ、なんで最後、黒人のおばあちゃんはサンジェニペロで暮らそうと思ったんだろうね。「ま、いっか!私は私で楽しんじゃおう!」的なノリにしか見えなくて、なんだか最後の最後でズッコケた。

 

3-5 虫けら掃討作戦 Men Against Fire

いきなりアクション映画!すげーなネットフリックス。

ちょっと哲学的な要素も入ってて、まぁ自分の見ている世界がすべてじゃないよ的な?ベタっちゃベタだけど、シナリオの構成が良いのですごく自然に起承転結が展開してた。ローチ達が作った緑の光を出すツールもいいね!「え、アレいったい何だったの!?」っていう感じで、程よく恐怖感を与えてくれるツールだった。あれが注射だったり、ナノテクのドローンだったりすると、ちょっと単純すぎてネタバレしちゃうしね。

Black Mirrorの字幕翻訳は基本的にハイクオリティなのだけれど、勝気なお姉ちゃんの口調が萌えた。そうだよね、ここは「あたい」とか「ウチ」とかじゃなくて、ストレートに「俺」が正解だよね!

ところで劇中であった「第一次世界大戦で引き金を引けたのは20%」って本当なのかな。確かにWW2では日本軍は覚せい剤打って突撃してたらしいし、人間って思ったより優しいのかな。

 

3-6 殺意の追跡 Hated in the Nation

最後のエピソードにして1時間半の長編。トリを飾るに相応しい良作。

まずどうでもいい事を最初に書くと、僕はこのエピソードの女主人公が喋るような、フランス語訛りの女性が喋る英語が大好きなのだ。有名どころだとビョークがそれ。(ビョークはアイスランド出身なんだけど、僕の感覚ではこうゆう訛りをフランス語訛りと定義している)この訛りのおかげで、終始オレ得なエピソードになった。以上どうでもいい事。

そもそもなんでイギリスからミツバチが消えてしまったのかという根本的な疑問は残るにせよ、昆虫ドローンっていうアイディアはクールだね!巣のデザインもサイバーパンクっぽくて好きだけど、蜂の奇跡の知性の片鱗であるハニカム構造が無視されているっていう超細かい突っ込みは置いておこう。

メッセージ性も素晴らしい!ネットの悪役は標的ではなく、餌だったっていう構成も素晴らしい。この構成は、このドラマ全体に対するオチでもある。1-1の豚とファックした大統領を見る大衆、2-2で元誘拐犯が逃げ回るコンテンツを回りでスマホ撮影する観光客など、視聴者に対して、「で、結局君たちはどっち側なの?」的なものが込められているのがたまらん。これ本当、我が身を振り返るよね。今年も日本では色々な人が叩かれたけど、舛添氏ねって言ってた人はつまりドローン蜂に殺される人たちな訳で。様々な社会風刺を表現してきたBlack Mirrorだけど、最後は僕たち自身を風刺するっていうロックな展開が格好いい!